受験の終着点
先日こんな人に会った。
御三家出身
浪人してMARCH大学卒業
中小企業を転々
現在、40代。ワーキングプアで実家暮らし
一言で言うと親が関与し過ぎた結果であろう。
とても素直な人であった。いや、素直過ぎると言った方が良い。そして、頭は普通に良い。
こういう子は中学受験に強い。親と塾に課された課題に黙々と取り組み続けある程度の結果を出せる。
ところが自分で考えて、進んでいける力がついてないと、大学受験あたりでおかしくなってくる。
そして、就職活動では、落ち続けることになる。素直すぎる性格は受験には向いているが、就活では自主性が無いと判断されるからだ。
最後はそこそこの学歴と素直さによる伸びしろを買われてそこそこの企業に就職していく。
しかし、残念ながら自分で考える力のない子に伸びしろは無い。新卒で入った会社で落ちこぼれていくことになる。
一方、親は子離れできずに、暖かくサポートし続ける。もはや親には教えられることはないので、実家暮らしやお小遣いなど主に経済的支援を通じたサポートだ。中学受験時代に見せた子どもの才能を信じて。
結果、おかしな道に進み始めても軌道修正できず、新卒で入ったそこそこの会社をドロップして、ブラックな職場に向かってしまう。
そして、親の援助によりその職場に耐えてしまう。実家暮らしだとそれが可能だからだ。
中学受験エリートの終着点がこれでは親もがっかりであろう。何より子どもが不憫過ぎる。もはやおじさんに近づきつつある年齢であったが。
親が子離れできて、家から追い出し、経済的支援をやめていれば、必然的に自分で考えるようになったはず。
中学受験を必死にサポートし無事合格したら、次は鉄緑会と子どもの進む道を親が引き続けるのは危険である。
かわいい子には旅をさせろ
だが、実践はとても難しい。自分で考えさせようと放っておくと普通の子は、どこも受からないからだ。
それでも、子離れをして、子どもの自立を促し続けるのは親の責任である。私自身への戒めに。